マネジメント
リーダーシップとマネジメントという言葉を聞くと、「リーダーシップはリーダーに必要なスキル」「マネジメントはマネージャーに必要なスキル」という風に思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、正確にはリーダーシップとマネジメントの違いは、役職や役割によるものではありません。リーダーにマネジメント能力が求められることもあれば、リーダーではない役職、役割のメンバーにリーダーシップの発揮が期待されることもあるでしょう。
リーダーシップとマネジメントの違いを明確にし、それぞれを身につけるポイントについて理解を深めていただくために、まずはリーダーシップとマネジメントの定義について解説していきます。
英語の「leadership」という言葉には、”指導権、指導力、統率力”といった意味があります。ビジネスにおいてリーダーシップと言うと、”組織が向かう目標を設定し、目標達成のために個人やチームを導く力”のことを指すことが一般的です。
リーダーシップを発揮するためには、将来実現したいビジョンを描く力が求められます。実現したい姿や目標を描き、その目標から組織の現状や、自分自身の行動がずれていないかを確認しながら仕事を進めていきます。
英語の「management」という言葉は、”経営管理”や”組織運営”といった意味をもちます。マネジメントとは、組織の成果を上げるために人、物、金などの経営資源を効果的に活用して目標達成を目指すことです。
組織の目標に対する現状の数値や課題などを分析して、「今何をすべきか」を明確にしていきます。また、経営的なリスクを予測し、回避できるように組織運営を見直すことも、マネジメントの役割です。
※リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとマネジメントの違いを簡潔にまとめると、以下の通りです。
リーダーシップには、組織が目指す方向が適切であるのか、目的に沿った活動ができているのかを判断する役割があるのに対し、マネジメントは、ゴールやビジョンを達成するための手段・戦略を考えることにフォーカスしています。
ビジネス書『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィ―は、”まず必要とされるのはリーダーシップである。リーダーシップの上で、マネジメントが効果を発揮する。”と説いています。マネジメントが優れていて、効率よく目標を達成できる組織だったとしても、目指す方向自体が間違っていれば、組織として判断を誤まり兼ねないということです。
次項では、リーダーシップとマネジメントについての理解を深めていただくために、リーダーシップ、マネジメント能力を発揮する社員の特徴について解説していきます。
組織やメンバーに向けてリーダーシップを発揮する社員は、まず自分自身に向けてリーダーシップを発揮していると言えます。自分自身のありたい姿を描いたり、目標を設定したりする習慣を身につけることで、組織の目指す方向や目標を設定することができるようになるのです。
自分自身に向けてリーダーシップを発揮する社員の特徴は、大きく以下の2点です。
自ら考えて決定し、行動に移していく姿勢が、リーダーシップを発揮するために求められます。リーダーシップを発揮する人は、たとえ指示を受けた仕事だったとしても、”上司の指示だから”、”会社の方針だから”と捉えて行動するのではなく、”なぜそれを行う必要があるのか”を自分自身で考え、意思をもって行動に移すのです。
リーダーシップを発揮する社員は、何かが上手くいかない際にも、周りの人や環境のせいにするのではなく、”この状況で自分ができることは何か”ということに考えを集中させることができます。自分の行動を主体的に選択できる人は、チームや組織においても、優れた判断力を発揮できるでしょう。
マネジメント能力が高い社員の特徴は大きく以下の2点です。
マネジメントを行う際には、組織が目標を達成するための戦略を練ることが求められます。そして、効果的な戦略を練るためには、現状を正しく把握し、今何が課題となっているのかを洗い出し、それを解決するための対策を立てる、というプロセスが必要です。マネジメント能力が高い人は、これら3つを行う力が優れていると言えます。
新事業の立案などを定められた期間内で行う”プロジェクト”において、マネジメント能力が高い社員は、仕事をコントロールしながら遂行することができます。プロジェクトの期間は、短い場合もありますが、長い場合は年単位のこともあるでしょう。先を見通してゴールまでの道筋を立て、進捗をコントロールしながら目標達成をすることが重要です。
リーダーシップを発揮するためには、以下のあり方・考え方を身につけることが必要です。
誠実さとは、偽りなく真面目に目の前の人・事柄に向き合う様子のことを言います。ビジネスの場においては、お客様との関わり方やメンバーとのやりとり、自分自身が設定した目標を追いかける姿勢などにおいて”誠実さ”が問われるでしょう。目標を達成するにはスキルや強い意志、継続力など様々な力が必要ですが、それらを紐解いていくと、根本には「自分が約束した目標を必ず成し遂げよう」という”誠実さ”があるのです。
自ら定めた約束を守り、目標を達成することで、結果としてチームや組織に対してリーダーシップを発揮することにも繋がります。自分自身と誠実に向き合い続ける姿勢が、チームの目標や他のメンバーとの関わりの中でも発揮できるようになるのです。
リーダーシップを発揮するためには、相手を心から理解しようとする姿勢が求められます。仕事を進めるにあたって、1人で完結することはあまりないでしょう。メンバーに協力してもらったり、メンバーから適切に意見を言ってもらったりするために、信頼関係の構築が重要だと言えます。
相手のことを理解するためには、ただ聞き役に徹するのではなく、相手を理解しようという気持ちをもち、相手の立場に立って話を聞くことが必要です。自分の話を真剣に聞いてくれない、自分に興味がなさそうな相手に対して、信頼感を持つ人はほとんどいないでしょう。他の業務が忙しくても、話を片手間に聞くのではなく、耳と目、体を傾けてしっかりと聞く姿勢をとりましょう。
マネジメントをするには、リーダーシップを身につけた上で、以下のスキルを磨くことが重要です。
マネジメントをする際に特に必要とされるスキルは、論理的思考力や分析力です。組織のマネジメントを行う人は、現状の組織の数値や立ち位置を正確に捉え、その状況が起こっている原因について分析し、柔軟に対応・判断する力が求められます。その際に、物事を分析する緻密さや正確さなども重要視される部分です。
論理的思考力を鍛えるには、いくつかの型に沿って、実際に考える経験を多く積むことが近道だと言えるでしょう。論理的思考力を高める、考え方のフレームワークには以下のようなものがあります。
各フレームワークの概要や、どのようなトレーニングを行えば良いかについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
賃金や人材などといった経営資源を有効に活用していくことが求められるマネジメントにおいては、適切な判断を行うために日頃から経営知識をインプットすることも重要です。効果的な経営判断を行うためには、現状の数値を見て経営課題がどこにあるのかを正しく判断する必要があります。
インプットすべき経営知識としては、経営戦略の作り方や、損益計算書(P/L)の読み方、状況を分析するための指標の種類を学ぶことなどが挙げられます。これらの内容について、本や研修、eラーニングなどを活用して知識を増やしていくことが、効果的な判断ができるようになるための一つの手段です。
リーダーシップとマネジメントの違いや、それぞれに必要なスキルについて理解を深めていただけましたでしょうか。
リーダーシップやマネジメント能力を身につけるためには、それぞれを体系的に学ぶことが大切です。学習を進める手段としては、社外で実施されているセミナーや勉強会に参加したり、書籍から学んだりする方法が挙げられます。
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