公開日:2016.11.15

更新日2024.08.29

チーム・組織づくり

マネジメント

明日からすぐに使える、ものすごく簡単な叱るためのスキル PART2

あなたは上司として、部下に正しく叱ることができていますか?

多くの上司は、「ちゃんと叱ろうとは思うんだけれども、どうも感情的になってしまって、うまく叱れないことが多いんです…」と、頭を悩ませています。

そこで、今から、明日からすぐに使える、ものすごく簡単な叱るためのスキルをお伝えしたいと思います。明日から使えるものがほとんどなので、インプットして、インプットしたものをすぐに使ってみてください。

部下の言い分を聞きながら叱る

叱るときには、感情と理性の両方で納得を促す必要があります。「理屈では分かったが、何か反発を感じてしまう」と言わせるようでは、上手に叱ったことにはなりません。反発をさせずに素直な反省を促し、改善への努力をさせるには、部下の言い分を聴きながら、その上で叱るべき点を明確にして叱ることが必要です。

叱る時に、大切なのは、まずは「感情」です。感情で理解をしてもらわなくてはいけません。そして「理性」。この両方で理解をしてもらいます。理由を明確にして叱ることで、ある程度は理性の面では理解をしてもらえるのですが、部下は言い分を聞いてもらえないと、感情がついていかないんですね。すると部下は、「この上司は、プロセスを分かってくれているのか??」と思ってしまうんです。すると、感情ではついていくことができず、反発をしてしまうのです。

あとは、こういうこともあります。6割は自分の責任、だけど3割はAさんの責任で、1割は◯◯さんの責任でもある…なのに、なんで10割全部自分の責任みたいに叱られるんだ、という時もあるんです。そういう時は、納得できないですよね…さすがに。

たしかに6割は自分の責任だ。でも、AさんやBさんにも責任があるじゃないか、となると、気持ちがついていかないんですよね。これは分かりますよね。そうなると、改善のスピードが遅くなってしまいます。なので、部下の言い分はちゃんと聞いてあげた方がいいんですよ。

叱るあなた自身の言葉に説得力を持たせるために

もう一つ覚えておくべきことがあります。それは、あなたは、部下の行動が全部見えているとは限らないということです。部下の後ろを四六時中ずっとついているわけじゃありませんよね?  ということは、自分には見えてないものがあるかもしれないんです。その部下が、お客様からどんなことを言われてきたのか、知らないかもしれないし、そこに至るプロセスを知らないかもしれない。だから、見えていないかもしれないのに、こうだと決めつけて、叱りつけてしまうと、あなた自身の言葉に、説得力がなくなってしまうかもしれません。なので、上司であるあなたのためにも、部下を叱る時には、部下の言い分を聴いた方がいいです。

叱る時に、部下の言い分を聴かないと…

以前、私はこれが全然できていませんでした…これは悪い例ですが、部下を叱っている時に、何か相手が言いそうな雰囲気が出てくるわけですね。そういう雰囲気が出てきた時には、「言い訳無用!!(ピシャリ)」と言ってしまっていたんです(苦笑)

相当ひどかったと思います。これこそ鬼上司ですよね…そう言った瞬間、部下はもう黙るしかなくなってしまいます。なので、結果として全然行動が改善されないんです。すると部下の不満は溜まっていきます。だから、その気持ちを処理するのに時間がかかってしまって、「だから次どうするの?」と聞いても、「今はもうとてもそんなことを考えられる状態ではありません…」って言うんですよ。落ち込み過ぎて。もう何も考えられていないんです。これはNGです。

自分がいかにダメだったかを伝えていますけど、これでは部下は全然変わりません。なので、ちゃんと部下の言い分を聴きながら叱りましょう。

叱る時には1つのことだけに集中して叱ると効果的

そして、叱る時は、できれば1つの課題に集中しましょう。一度に複数の問題点を指摘されると、部下は頭や心が整理することができず、どのように行動を改めればよいか分からなくなってしまいます。当然のことですが、あることについて叱っている時に、思い出したように「そういえば、あれもこれも」という叱り方は厳禁です。例えば、私語が多いことを叱っている時に、机の上が乱雑なことや昨日の遅刻のことを叱るといったような、他のことを持ち出して叱るのは避けなければなりません。

いろんな事象があると思うんですけれど、この事象が1つの「いい加減である」「仕事でダラダラしている」ということに帰結するのであれば、その1個に絞って叱ってあげてください。なぜかというと、いろいろ言うと、部下は整理ができなくなってくるんですよ。で、全部だめだ、みたいな状態になっちゃうんです。

「あなたは大体、生活態度も良くないし、仕事だって連絡が遅いし、この資料だって全然まだ読めてないじゃない!」そんな風にたくさん言われてしまうと、どれが一番ダメなのかが分からなくなってしまうんですね。なので、できれば一つに絞ってあげましょう。

思い出し叱りは厳禁

あれもこれも思い出して叱る「思い出し叱り」も厳禁です。ご夫婦でいらっしゃる人は、夫婦喧嘩を思い出してもらえればいいと思いますが、夫婦喧嘩はよくこんな感じになるんじゃないかと思うんですね。「だいたい、あなたは今回の件だけじゃなくて、結婚前からそうだった。」とか、「こないだだって頼んだのにやってくれなかった、そもそも休みの日はいつも寝てばっかりだし、家事も手伝ってくれないし。」みたいに、何を叱られているかもう分からなくなってしまう。で、お互いに、なんで喧嘩になったのかが分からなくなってしまう。それで「もういい!」みたいな感じで、物別れになってしまう。そうならないようにしなくてはいけませんね。

これがあんまり行き過ぎてしまうと、人格の否定、ということにもなりかねません。なので、そうならないように気を付けてください。叱るべきことはできるだけ絞り込む。ただ、「遅刻はする」「お客様との連絡は忘れる」など、いろんな事象があっても、全てが「時間にルーズだ」という共通点に持っていけるのであれば、その一点に絞って叱ってあげればいいと思いますよ。

高い期待を持って叱る

最後にお伝えすることとしては、部下に対して高い期待を持って叱ってあげてください、ということです。叱り方をなんか間違えちゃったな…ということってあると思うんですけれども、これをきちんと伝えるだけで、割とリカバリーできたりします。あなたのことを、もっと期待しているから言ったんだよ、ということを、きちんと「口」にしてください。自分に期待されているということは、悪い気はしないんですね。「叱られているうちが華」とよく言われますが、期待されているからこそ叱られているんだよ、と、ちゃんと言ってあげてください。

で、「言わなくても分かっているはず」という上司の方がよくいらっしゃいますが、基本的に部下は分かってないです。なので、口にすることが大事です。期待されているから言われているんだと思ったら、奮起するんです。その方向に持っていってあげないと、部下の行動はなかなか改善しません。言葉にするのが大事です。言葉にするのはなかなか慣れていないと難しいかもしれませんが、言葉にして言ってあげてください。

いかがだったでしょうか?

部下が感情で納得するために、部下の言い分を聞きながら叱る。1つのことに集中して叱る。そして高い期待を持って叱る。意識すればすぐに行動できると思います。ぜひ、今日、部下を叱る時(?)に使ってみてください。

以上、荻野純子(おぎのじゅんこ)でした。

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